擾乱の客席に 舞う薔薇の花弁/幕裂ける暗転グランギニョル/光は星屑の残火/闇は山の端の漆黒/天壌アラベスク 薔薇の花弁舞う/終わりの時を 悲史と噛み締めながら。
quote:世界2位のレコード会社のソニー・ミュージック社と5位のBMG社(ベルテルスマン・ミュージック・グループ)が合併し,事業を統合すると発表した。音楽会社が新たなデジタル時代に適応しようともがいていることを物語っている。
よく世界の音楽市場を牛耳っているのは,5大レーベルだと云われる。ユニバーサル,ソニー,EMI,ワーナー,BMGの5つだ。今回のソニーとBMGの合併,そして記事中にもあるEMIとワーナーの合併によって,3大レーベルとなる。大雑把に云うと市場の1/4がユニバーサル,1/4がソニーBMG,1/4がEMIワーナー,残りがそれ以外のインディー系などとなる。合併によるシェア拡張は当然,守りの姿勢であり,コンシューマーにとってもアーティストにとっても利益を生むものではない。ではなんのための整理統合なのか? レコード会社の幹部たちの持ち金を守るため以外には,なんの理由もない。
現在の音楽という物語があるなら,その最期にハッピーエンドはなさそうだ。無慈悲なほどの猟奇にせせら笑いながらの結末となる。ネットワークは悪者扱いされるだろうが,たぶんそれでよいのだろう。せせら笑いの陰で,次の音楽が生まれるのだから。なにかが残ることはない,いまあるものはすべてなくなるだけ。いまはただ,観客席の隅で,笑いながらそれを観ていればよい。(q.v. 月蝕グランギニョル/ALI PROJECT)
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